2019年3月17日日曜日

USB-PD トリガーデバイスによる15V出力とノートPCの充電

USB-PD(Power Delivery)ソースに対して、指定された電圧を要求する、俗に言うトリガーデバイスを入手したので、これを使って、16V電源のパソコンの電源をUSB Type-C化してみた。

購入したのは、YZXSTUDIOのZYPDSという基板。AliExpressから入手した。この基板は、USB-PDで、ソースに対して15Vまたは20Vの出力を要求する。基板上のパターンを接続することで15Vまたは20Vを選択できる。購入時の説明だといかにも最初はオープン状態(15V)で、ハンダでブリッジすれば20Vになるというものだったが、実際には、ハンダブリッジされており、20Vが選択された状態のものがやってきた。

ちなみに、AliExpressでは、ZYPDSは複数のセラーが販売している。ただ、ZYPDSでは検索に引っかからない。検索欄には「Type-C USB-C PD2.0 3.0 TO DC」と入力して検索すると引っかかる。ZY12PDNという出力側にコネクタがついたものもあるが、これらは、出力電圧をボタンで選択するものなので、テストにしか使えない。ZYPDSだけが出力を15または20Vに固定することができる。値段は5~6ドルぐらい。

これに,P社のノートPC用の外径5.5mmの筒型プラグを接続する。P社の電源プラグは、アダプタ判定用の端子があるが、なくても充電は行う。ただし、再起動時に確認のため必ず停止し、何かキーを押さないと先に進まない。このアダプタを使うとそういうリスクがある。

ZYPDSに外径5.5ミリのプラグを接続。プラグは既製品(L型変換アダプタ)を途中で切って作った。

このままでは、ケーブルに力が掛かって、ハンダ付けしたところが切れてしまう。また、抜き差しで基板にも力が掛かるだろう。そこで、周りにカバーを付け、ケーブルはカバー側に固定することにした。 材料は、1.4ミリのPP板。これはダイソーで入手した。 以下、写真で工程と構造を示す。
PP板を加工して基板を後から挟む

基板とケーブルをホットボンドで固定したあと、ケーブルを結束バンドでカバーとなるPP板に固定。
さらにケーブルとPP板をホットボンドで固定する。
これによりケーブルに掛かる力はカバー側が受け取ることになる

PP板を折り返してさらにホットボンドで固定。
その後、熱収縮チューブで周りを覆う。見た目はよくないが、とりあえず完成とする。

P社のPC(RZ6)のACアダプタは、16V出力だが、このアダプタの出力は15V、1Vほど足りない。ただ、1Vは、16Vから見て10%未満。これぐらいなら誤差でなんとかなるだろうと予測した。RZ6に接続すると、バッテリアイコンが充電にかわる。見た目充電しているようだが、これはあくまでもソフトウェアの出力にすぎないので、パフォーマンスモニターで確認してみる。バッテリー駆動機器では、パフォーマンスモニターに「Battery」関連の項目がある。これは、ハードウェアからの測定値をWindows側で扱うもの。充電レート(1秒間の充電電力)、放電レート、 バッテリ残量、バッテリ電圧などを測定することができる。これで一定期間観測して、バッテリ残量が上がれば、充電していることが観測できる。実際にやってみたのが、下の写真。黒い線がバッテリ残量を表す。これは、30秒ごとの測定なので、グラフが上向きということで無事充電されている。ただ、16Vに対しての15Vなので、場合によっては充電されない可能性もないわけではない。最悪の場合とか、もっと電流が流れる場合など、USB-PDのソース側の挙動と組みあわせると充電できない可能性も考えられる。

Windowsのパフォーマンスモニターで、チャージレート(赤線)とバッテリ残量(黒い線)を調べた。
一応充電されているようだ。

これにより、普通のACアダプタを使うP社のノートPCがUSB PD電源で充電可能となる。15V出力は、45WのUSB-PDアダプタでも出力が可能。45WだとコンパクトなUSB-PD電源も入手が可能だ。専用電源を持ち歩かずに済むので荷物が軽くなる。USB-PDは対応機種もふえており,この方法なら旧来のノートPC,といっても,いまのところ15V前後,20V前後の機種のみだが,USB-PD電源に置き換えが可能だ。



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